鍼灸は本当に不妊に効果があるのか？④

こんにちは、「ｓｈｉｓｅｉ整体院」です。

鍼灸は本当に不妊に効果があるのか？③の続きです。

着床・免疫寛容について免疫寛容とは妊娠成立のために着床した胚を異物としてとらえず、攻撃しないようにするメカニズムのことをいいます。

受精卵が子宮に着床しない着床不全の原因としては、卵管や子宮の問題、免疫因子、凝固因子や卵、精子、胚の問題など様々な要因がありますが、免疫に関してはリンパ球の一種であるＮＫ細胞が子宮における免疫システムの維持に重要な機能を果たしています。ＮＫ細胞の異常は、着床不全のリスク因子となりえるのです。鍼灸では、この着床のリスク要因を減らすことが出来ます。レーザー鍼を使用することにより、リスク要因となりえる特定のＮＫ細胞を制御できることがわかっています。

鍼灸刺激のリラクゼーション作用

鍼灸には気分をリラックスさせる効果があり、心地よい鍼灸刺激はα波を増大させる作用があることは、脳波所見からも伺えます。また、鍼灸刺激には抗ストレス効果があるとも言われています。

不妊治療をしていると心身共にストレスを感じることは少なくありません。筋肉の緊張を緩め、肩こりの解消やリラクゼーション効果を得ることは不妊治療のストレスや疲れを和らげることにつながります。

まとめ

鍼灸治療において大切なことは、鍼灸刺激による生理的反応をしっかりと整理し、不妊の原因の特定、推理して適切な処置を行うことです。不妊の原因は多岐に渡り、原因を特定するのが困難な場合も少なくありません。そんな時はカラダのパーツごとに考えるのではなく、東洋医学特有の考え方で健康について見直してみるのも一つの方法です。不妊に加え、腰痛・めまい・耳鳴りなどの不定愁訴も一緒に治療してもらえます。

東洋医学では”冷え”の概念や「身心一如」といった独自の健康感があります。薬で調整する治療が上手くいかない場合は、鍼灸を試してみてはどうでしょう。西洋医学と上手に組み合わせることにより、相乗効果が期待できます。

鍼灸では多くの場合、患者さんと接する時間が長く、鍼を刺すために患者さんのカラダに必ず毎回触れます。鍼灸師はカラダに触れることによって、ご本人が気づいていない、カラダが発するメッセージをキャッチすることができるのでは、と思っています。

鍼灸は本当に不妊に効果があるのか？③

こんにちは、「ｓｈｉｓｅｉ整体院」です。

鍼灸は本当に不妊に効果があるのか？②の続きです。

手足など、四肢末梢循環の及ぼす作用

不妊領域においては、子宮動脈や卵巣動脈の血流改善が妊娠に向けたカラダづくりのポイントになってきます。

「針灸を特定の部位、深さに刺すことによって、その刺激が子宮動脈の血管抵抗を有意に減少させた。といった学会報告があり、この方法によって良好胚の採卵率が上昇を経験しています。

また、子宮・卵巣・脳への血流が改善することは、子宮内膜や卵質の改善にも影響を与えます。鍼灸治療によって子宮動脈や卵巣動脈の血流を改善することは卵の質を左右し、また子宮動脈の血流改善は子宮内膜のクオリティーに直接かかわると思われます。

脳の血流に及ぼす作用

健康な人では、手足のツボへの鍼刺激が脳の血流を増加させるといわれています。ＰＥＴ(陽電子放出断層撮影）を用いて脳局所の血流を測定した報告も数多くあります。最近では、脳循環障害に対する鍼灸治療も注目されています。また、鍼灸治療が脳の遺伝子的表現に何らかの影響を与え、視床ー下垂体ー卵巣軸の異常を調整することによりＧｎＲｈ（性腺刺激ホルモン放出ホルモン）、ＬＨ（黄体化ほるもん）Ｅ２（エストラジオール）といった妊娠に関わるホルモン分泌の正常化を図ることも報告されています。